TOP > プログラムの特徴

プログラムの特徴

プログラムの目的

  • [i] 生命現象を広い観点から理解する力 病態解明につながる先端的研究
  • [ii] 異分野間との連携を深める力 新規治療薬、医療機器の開発
  • [iii] 産学の各界でグローバルに活躍する力 研究成果の社会応用

これらの力を備えた研究者を生体統御ネットワーク
医学教育プログラムで育成することにより、
難治性疾患克服の実現を目指します。

プログラム担当教員へのinterview

岡村(おかむら) 康司(やすし)
岡村(おかむら) 康司(やすし)
教授
医学系研究科統合生理学教授
1989年東京大学大学院医学系研究科修了
先生が生体統御ネットワークプログラムに関わる「思い」とはどのようなものですか?
僕らは研究が非常に大事だと思っているので、学生にもそれを一番教えたい。研究は分からないことだらけで、分かっていることはごく一部なんだ、無理難題もあるだろうけど、それは我々が解決していくべき一つの大事な方向なんだよ、と。本プログラムでうたっているように、分野の垣根を超えて、早くから広く全体を見ようとする姿勢が身につけば、きっと将来大きく成長するような人材が出ていくと期待します。
 
大学院の役目は、私たちでは解決できないような将来の問題に真っ向から取り組んでいける人材を輩出すること。我々を超えてもらわないと困りますし、超える人材がここから育ってくれると信じています。
竹田 潔
竹田(たけだ) 潔(きよし)
教授
医学系研究科免疫制御学教授
1998年大阪大学大学院医学系研究科修了
現在治すことのできない難病の克服を実現する生命科学領域のグローバルリーダーを養成するこのプログラムでは、産学官の多様なバックグラウンドの教員が結集し、魅力あるカリキュラムを提供しています。学生も、国内外から、医学、薬学、理学、工学、獣医学等々の様々な分野から高い志と熱意に満ちた若者が集まっています。堅忍不抜の精神で、将来のリーダーを目指しましょう!
米田(よねだ) 悦(よし)啓(ひろ)
米田(よねだ) 悦啓(よしひろ)
医薬基盤・健康・栄養研究所所長
生体統御ネットワークプログラムでは、どういう人材を育てるのが目的ですか?
一点目は日本の殻にはまらず、広く深く国際的に物事を見据えることができる人。本プログラムの海外インターンシップなどを十分に生かし、将来的にもどんどん外にいって、活躍してくれることを期待しています。あいつがガンバッているから、自分もがんばろうと周りの研究者が思うような人が育つと良いですね。チャレンジ精神を持って、失敗するのを恐れず殻の外に前進してほしいです。
 
二点目は、やはり、きちっと自分の研究ができる人。自分の研究がきちっとできていれば、留学する時の受け入れ先の選択も広がる。研究発表も積極的にできて、また研究内容も素晴らしいとなると、世界の中でリーダー的存在に育っていくはずです。

プログラムコーディネーターからのコメント

—難治性疾患の克服を実現する生命科学研究者の養成をめざして—

 大阪大学では、これまで生命科学研究分野において世界的にみても先進的な研究成果をあげる研究者を養成・輩出してきました。このような成果の中から、例えば、岸本忠三先生(元大阪大学総長)と平野俊夫先生(現大阪大学総長)による「液性因子インターロイキン6の発見」という基礎研究の成果が、関節リウマチなどの免疫疾患へのインターロイキン6の作用をブロックする抗体医薬の開発につながっています。しかしながら、まだ制御することのできない疾患がまだまだ多く残されており、多くの患者がこれら難治性疾患に苦しんでいます。生命科学研究の究極のゴールの一つである疾患の制御が、先進的研究成果をあげる研究者を多数輩出してきているにも関わらず、達成できないのはなぜでしょうか?

 私たちはこの原因の一つが、各生命科学研究の分野が専門化しすぎて、専門化した各生命科学分野では一流の成果であっても、それが異分野の領域に応用できず、生体統御システムを俯瞰的に捉え研究を進める研究者が養成できず、生体の統御システムの破綻として発症する疾患を理解できず、さらにそれに対する治療応用、医療技術開発が実現できないからであると考えています。 そこで、リーディングプログラム「生体統御ネットワーク医学教育プログラム」では、大阪大学で生命科学に関する先進的研究成果をあげている研究者を6研究科(医学系研究科、薬学研究科、工学研究科、生命機能研究科、理学研究科、歯学研究科)から結集し、専門化しすぎた各生命科学研究分野(例えば、免疫学、再生医学、神経科学など)の壁を取り払い、さらには各研究科間の大きな壁までをも取り払い、生命現象を俯瞰的に捉えることのできる研究者を養成するプログラムを構築しました。これだけにとどまらず、私たちの教育理念に共感してくれている6企業の研究者がプログラム担当者として参画するとともに、講義、企業インターンシップなどを通じて教育に携わってくれる企業も複数あります。これらの企業の参画により、大学でのすばらしい研究成果を実際に医薬品や医療機器の開発などの社会応用に橋渡しするリーダー的人材の輩出が実現できると考えています。

 また本プログラムには海外からの留学生を多く受け入れます。そして、英語での教育を提供します。優秀な海外留学生とともに皆さんが切磋琢磨し、お互いがお互いを高め合う環境を、大阪大学が誇る生命科学研究者が一致団結して提供します。

 生命現象に興味があり、さらには疾患治療を実現することを夢見る、熱意のある学生は、ぜひ本プログラムで生命現象を俯瞰的に捉えることのできる生命科学研究者をめざしませんか。将来、いくつもの難治性疾患の克服を可能にする研究者となってくれることを大いに期待しています。