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Meet the Leaders 5 (Dr. Daikichi Fukushima)

 Meet the Leaders
2015.6.11  

 

6月10日(水)に第5回Meet the Leadersが開催されました。今回は小野工業薬品株式会社 筑波研究所所長 兼 先端医薬研究部長 福島大吉先生に「Visionの描き方と選択〜企業研究の経験から〜」をテーマにご講演頂きました。リーダーシップを要する責任ある役を、歴任された福島先生は、これまで6つの研究室で働いたご経験があり、本講演会では研究者として、心がけてきた三つの事についてご指導いただきました。

まず一つ目は自分の原点を大切にすることです。将来、自分が希望する事と異なったテーマに取り組まなければならない時に、前向きに考える柔軟性を備えることで、様々な事を学ぶ事ができます。それは後に、自分の原点であるテーマに取り組めるチャンスが来たときに、様々な経験が糧となり、更にこれまで培った内外の協力者と共に一人ではでき得ないことを達成できます。たとえ直ぐに成果がでないことでも、ぶれない芯を持ちつつ、失敗から学ぶ姿勢で続ける根気強さが、次の飛躍に繋がると述べられました。

次に戦略的な発想を心掛けてvisionの策定を行うことです。戦略的発想とは ○○年後をイメージして、その時に達成していたい事のvisionを設定することです。例えば短期的に成果が見込める近視的なvision、又は長年の経験にもとづく得意分野を活かしたvision、他には、新しいイノベーションを起こす挑戦的なvisionなどです。大事なことは多面的な見方でvisionを策定し、vision達成のため関わる人が共通意識を持てるように、心がけることです。

しかしvisionは相対的なもので、外からの影響によって左右されるものなので、常に周りの動向に敏感でいる事が必要であります。その状況に応じたvisionの修正と、選択は欠かせません。選択する能力はリーダーに求められるもので、その選択が正しいか否かはリーダーにかかってきます。よってリーダーは判断するための知識だけではなく、勘を養う必要があります。苦しいときにこそ選択と決断を迫られますが、visionの見直しはチャンスにもなるので、その時にベストな判断を下せるように、様々な経験を積むことが大事であります。経験者であるから、チャンスに気づくことができることもあると述べられました。

最後に、やるならすぐやる実行力と、走りながら考える先導性を持つことです。話すだけでなく、早く行動に起こすことが重要です。そして、できないだろうと思う事でも、やってみると成功に繋がることもあります。固定概念に捉われすぎずに、tryすることが大事です。何事も自らアクションをかける、自主性をもった者同士で保たれたactive balanceは、vision達成のための大きな原動力となります。リーダーは実行力と先導性を発揮していかなければなりませんが、其の為には仲間の協力が不可欠であります。卓越したコミュニケーション能力は、プロジェクトに取り組む協力者が、共通の方向性で進んでいくために求められます。そして仕事をする上で、お互いの信頼を築くためにも、話し合う事が重要になってきます。実行力と先導性に加え、コミュニケーション能力もリーダーシップにつながる重要な事であると述べられました。

今回は福島先生にこれまでの研究者として、心がけてきた三つの事についてご講演頂きました。一つ目は、自分の原点を大切に「ぶれない芯」を持つこと、そして二つ目は、戦略的な発想のVisionの策定と選択と、三つ目は、やるならすぐやる実行力と走りながら考える先導性です。本講演会で、visionの描き方と、実行するために必要なリーダーシップ、決断力、コミュニケーション能力や、リーダーとしての責任について学びました。また、福島先生の研究者としての、変わらない探究心と絶えない好奇心に感銘を受けました。参加者の方からも、これからの方向性を決めていく上で、勉強になる興味深いお話を聞けたという好評の声を頂きました。また福島先生から、分野間を超えたIPBSの活動の機会を大事にして、各自のvisionをもって切磋琢磨して飛躍してもらいたいと激励のお言葉も頂けました。

今回、運営担当を務めさせていただいて感じたことは、思い描いた事を実現させる難しさです。三人で話し合い決めた事を、どのように講演者や参加者に伝えることができるか悩みました。そして不安でもありましたが、宮坂先生からのアドバイスやIPBS事務室のご協力もあり、本会を終えることができました。至らぬ点も多々あったかと思いますが、皆さまからの感想とご意見は大変な励みになりました。今後の課題としては、日本語での講演会でも留学生に参加して頂けるような対応を考えていくこと。また交流会では、より活発な議論が行えるような工夫と進行を行うこと。今後は今回学んだことを実践していくため、精進していく所存であります。

 

ご講演頂いた福島先生にお礼申し上げ、また参加者のご協力に感謝し、第5回Meet the Leadersの報告とさせて頂きます。

  

運営担当 

IPBS 二期生

今泉友希 井上直紀 桑原敦