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【海外インターンシップ/トゥルク大学】報告

 Post-event Reports
2017.8.21  

2017年8月13日(日)から10月1日(日)まで、トゥルク大学(フィンランド・トゥルク)にて、5期生のSweksha Lohaniさんが、海外インターンシップを行っております。

以下、Sweksha Lohaniさんからの報告です。
2017年8月20日/No.1

IPBS 5期生の Sweksha Lohani です。
フィンランドに来て1週間が経ちましたので報告をしたいと思います。

現在滞在しているトゥルクは首都ヘルシンキからバスで約2時間のところにあります。トゥルク空港到着後は、雨が降っており少し寒い印象を受けましたが、晴天の日や日中は18℃前後と過ごしやすい気温に恵まれています。

現在インターンシップを行っているMediCity Research Laboratoryは、いくつもの研究グループが存在し、その中で、私は「がんと炎症における免疫細胞の輸送」に関わるグループに所属しています。所属研究室では、初日からあたたかく迎えいれてくれ、そして積極的に誰もが手助けをしてくれる環境なので早く研究室にも馴染んでいけるのではないかと思っています。研究室では、一日に2回coffee breakがあり、プライベートや研究についてなどコミュニケーションを多くとる様子が見られ、私も積極的にコミュニケーションをとっていきたいと思いました。

研究室は、さまざまなグループが共同研究を行っていることもあり非常に広く、初日は試薬の場所や高度な装置の使い方をひと通りの実験の行程を見せてもらいながら教えていただきました。今回のインターンシップでは、実際に実験指導をしてくれる博士課程後期のRuthさんが行っている研究の一部に関わらせていただくことになっています。Ruthさんは、二次リンパ器官へのリンパ球の出入りにMsr-1(Macrophage Scavenger Receptor-1)とRobo4 (roundabout-4)がそれぞれ関わっている可能性を追究しています。その中で私は、今回のインターンシップで (中略 研究内容) 調べる予定です。5μmの凍結切片をきれいに作るのは非常に難しく、今後努力していきたいと思っています。来週からは、前述の実験以外でin-vivoの実験の一部にも関わられていただくことになっており、いままでin-vitroの実験しか経験がない私にとってこの非常に貴重な機会を大切にして、より多くのことを吸収していきたいと思っています。

おととい、トゥルクの中心部でテロと思われる事件が発生し、現在厳重警戒態勢となっています。しかし、多くの警官が見回りを行っているため、外出自体は可能です。しばらくは、気を付けながら、フィンランド、日本そしてネパールそれぞれの文化や習慣の違いなども見つけていけたらと思っています。

Sweksha Lohani

2017年8月27日/No.2

IPBS 5期生のロハニです。
フィンランドにきて2週間が経ちましたので報告をしたいと思います。

フィンランドは、寒さがだんだんと増してきており、朝は気温11℃前後で、日中も日に当たらなければ外を歩くのも寒く思えるようになりました。また、22時頃まで明るかった空が今では一時間ほど早くなってきたように思います。

今週は、マウスを使ったリンパ球のホーミング実験が行われ、私は、フローサイトメトリーとOCT ブロック用に組織を切り分ける作業を行いました。また、FACS用のサンプルの固定、ならびに実際に自分の実験用にOCTブロックを作成しました。FACSに関しては、測定する前に行う値の設定方法など基本的なことを学びました。論文で読んだことしかなかった実験手法を一から見せていただき、一部は自分も関わることができたので以前より、理解が深まりました。さらに、別の実験としてWTマウスの腫瘍流入領域リンパ節の凍結切片を作成しました。脾臓など凍結切片をつくりやすいものもあれば、リンパ節の中には難しいものもあり、繰り返し努力しています。そして、今週は今まで使ったことない機種の共焦点顕微鏡のトレーニングを受けました。来週からは、実際に自分が行った免疫組織染色の結果を観察する予定です。実験手法や原理など、どんな質問にも快く答えてくれ、自分が積極的に実験にのぞむことは当たり前ですが、自分を磨きあげるのに非常によい環境だと感じています。今後もより多くのことを吸収していきたいと思っています。

また、生活面でも特に問題なく過ごせています。週末には、バスで片道約2時間かかるヘルシンキに出かけました。フィンランドのバスや鉄道そして街並みだけでなく、芸術や文化についても知ることができました。

先週の報告で一部報告しそびれてしまったことがあるので追記させていただきたいと思います。先週 8/17と8/18にThe 27th Annual Biocity Symposiumが開催され、Molecular Biology of the cell の著者のひとりとしても有名であるPeter Walter先生の講演や他のさまざまな分野の先生方の講演、そしてポスター発表などいろいろと刺激のある非常によい機会に参加することができました。このSymposiumを通して、最前線の研究テーマやその内容を知ることができたと思っています。

Sweksha Lohani

 
宮坂先生、ポスドクの竹田さんとHimalayan Kitchen にて    実験指導をしてくれているRuthさんとBioCity Symposiumにて

 
ヘルシンキの街並み                    ヘルシンキにて警戒に当たる騎馬警官          

2017年9月3日/No.3

IPBS 5期生のロハニです。
トゥルク大学に来て3週間が経ちましたので報告をしたいと思います。

今週は、共焦点顕微鏡を用いて、(中略研究内容)の免疫染色の結果をみました。この結果をもとに、抗体の濃度などいくつか条件検討をすべき項目があがってきました。また、ヒトとマウスの内皮細胞の中に(中略研究内容)を発現するものがあるか(中略研究内容)で確かめたところ、発現すると考えられる候補もでてきましたが、(中略研究内容)をはかっていなかったため結果がきれいに出なかったと考えられ、(中略研究内容)を量ることからやり直しました。また、新たにFACS染色の手法も教えていただきました。そして、別の実験として(中略研究内容)作成し、免疫染色を行いました。来週以降からは、あらたに染色条件を変えて免疫染色ならびにイメージングを行うのに加え、(中略研究内容)をやり直し、より明確に発現の有無を確かめる予定です。

BioCity(研究室)に来て3週間が経ち、ほかの研究室の人たちとコミュニケーションをとる努力はしていますが、ここの人たちのようにもっと活発にディスカッションができるようになりたいと思いました。寒さが増す日もあり、体調があまりよくない日もありましたが、今後も気を付けながら研究に励みたいと思っています。

Sweksha Lohani

2017年9月11日/No.4

IPBS 5期生のロハニです。
トゥルク大学にきて4週間が経ちましたので報告をしたいと思います。

今週は、(中略研究内容)を再度行い、Scavenger receptor, SCARA5の発現をみました。その結果、一般的にhomotrimerを形成するとされているSCARA5のバンドが予想される領域だけでなく、より分子量の小さい領域でも確認され、SCARA5がdimerやmonomerである場合にバンドがみられた領域がほぼ一致することが調べてわかりました。特にdimer領域での発現が非常に明確であり、この結果の再現性も確認できたので来週以降は、(中略研究内容)の影響を見るとともに、(中略研究内容)を行うことによってSCARA5を発現する内皮細胞株を明確にしていく予定です。また、SCARA-5を発現する細胞株の中にMacrophage scavenger receptor -1 (Msr-1)も発現する細胞株がないのか同時進行で調べ、2つの受容体の関係を調べるのに最適な細胞株がないかも見ていく予定です。

そして、これとは別に(中略研究内容)を作成し、SCARA5の発現を見るために免疫染色を行いました。さらに、腫瘍流入領域リンパ節におけるMsr-1の発現が放射線治療などさまざまな抗がん治療を行った際にどのように変化するのかを見るために、(中略研究内容)を用いて観察を行いました。現在イメージング並びに結果を解析している最中ですが、中でも放射線治療を行った場合にMsr-1の発現が治療を行わなかった場合と比べ、変化しているように見え、実験的におもしろい結果になるかもしれない可能性がでてきました。今後、変化の有無をより明確に示せるように免疫染色そして、イメージングを頑張っていきたいと思っています。

また、生活面でも問題なく、過ごせています。今週は、研究室の学生で、一緒にディナーに行きました。これを期にさらに親睦が深まったように思います。

Sweksha Lohani


研究室の学生とディナー

2017年9月18日/No.5

IPBS5期生のロハニです。
フィンランドに来て5週間経ちましたので報告をしたいと思います。

今週は、SCARA5を発現している細胞株を同定するために、(中略研究内容)を行いました。また、ウェスタンブロッティングも条件を変え、やり直しました。来週はこれらの結果をもとにSCARA5の発現の有無を明らかにできるよう実験をしていく予定です。

また、Msr-1 KOマウスの凍結切片でのSCARA5の発現ですが、イメージングの結果条件検討が必要になりました。また、これとは別に腫瘍流入領域リンパ節の免疫染色に関しては、条件検討がうまくいきイメージング自体はきれいにできるようになりました。今後は、各詳細な部分の撮影に加えて、いくつかのサンプルに関しては、凍結切片をきれいに作り再び免疫染色を行いたいと思っています。残り時間がすごく少なくなってきましたが、きれいにやるコツなどを聞くなどして、より明確に違いの有無が分かるようにできればと思っています。

今日9/17は、"Turku Day"でした。週末ともあり、普段以上にトゥルクの中心街はにぎわっており、最後には川辺で盛大な花火がありました。残りの2週間もこの機会を大事にできるよう研究に励んでいきたいと思っています。

Sweksha Lohani


Turku Day 花火大会にて

2017年9月25日/No.6

IPBS 5期生のロハニ スウェクサです。
トゥルク大学に来て、6週間が経ちましたので報告をしたいと思います。

今週は、主に以前から行っている実験で結果がキレイではないものに関して、凍結切片や免疫染色のやり直しを行い、そのイメージングの結果をまとめました。また、腫瘍流入領域リンパ節におけるMsr-1の発現を見ているものに関しては正常な場合のリンパ節でのMsr-1の発現も見たいと思いOCTブロックを作成しました。来週は限られた時間ではありますが、そちらの方とも比べて、最終的に結果を示せたらと思っています。また、qPCRの結果も来たので、そちらの結果を解析しています。

トゥルクは、だんだんと日の出の時間が遅く、そして日の入りが以前よりも早くなり、街並みは紅葉がきれいな季節となりました。そして、雨が降った日には寒さが非常に増して来ました。海外研修も最後の週となりましたが、最後の日まで研究を頑張りたいと思っています。

Sweksha Lohani

2017年10月2日/No.7

IPBS5期生のロハニです。
海外研修7週目の最終報告をさせていただきたいと思います。

最後の週ということで、これまでの結果のまとめを行いました。また、正常なマウスのリンパ節でのMsr-1の発現もみたいと思い、凍結切片を作成し免疫染色ならびにイメージングを行いました。そして、この結果と以前の腫瘍流入領域リンパ節での結果とを比較しました。治療方法により正常な場合と発現に違いがあるものもあり、詳細につきましてはインターンシップ報告会で発表させていただきたいと思います。

最終日には、Supervisor のJalkanen教授を含め、研究室みんなでピザを食べながら話をしました。この7週間いろいろとサポートしていただいた研究室の方々そしてこのような貴重な機会をいただきましたIPBSプログラムに非常に感謝しております。このインターンシップは、私にとってとても内容の濃いものでした。今後の研究生活に役に立てていきたいと思います。

Sweksha Lohani


最終日にSirpa Jalkanen 教授と                            トゥルクの象徴、トゥルク城